「人生考えた」苦しんだ大坂、新コーチと磨いたサーブ
(20日、全豪テニス決勝)
この1年で積み上げてきた成果を大舞台で示した。
第1セットは競り合う展開だったが、大坂なおみの表情は崩れない。ラリーで優位に立ち、ポイントを奪っていく。力強いショットに、軽やかな動き。ミスが少ないから、自然と相手に圧力をかけられる。アンフォーストエラー(自らに原因があるミス)は、相手よりも7少ない24だった。
1時間17分の完勝。「パンデミックのなか、テニスが出来て幸せ。今は穏やかな気持ち」と喜んだ。
1年前はどん底だった。
2019年全豪で初優勝し、世界ランキング1位に初めて立った。大坂はそのときの心境を、今大会中に明かした。「自分の立場を固め、他の選手からも尊敬される必要がある。そんなことを一年中考えていた」
環境を変えられず、2連覇がかかった20年1月の全豪は3回戦で敗退した。劣勢を強いられた2月の女子テニス国別対抗戦の試合中には自分の感情をコントロールできず、涙した。