<引用元>http://www.asahi.com/articles/GCO2024040701000133.html?iref=pc_spo_tennis_list_n
反戦を公言するロシア選手 会見での肉声から記者が感じたニュアンス
1月17日、ロシア選手に話を聞く好機が巡ってきた。
アンドレイ・ルブレフ(26)がテニスの全豪オープン男子シングルス2回戦でストレート勝ちし、会見場「インタビュールーム3」にやってきた。
ルブレフの1回戦はフルセットにもつれる激闘だった。そうした試合の後は、勝負の明暗を分けたポイントなど、試合の中身を軸に聞くのがスポーツライターとしてのマナーだと考えている。
2回戦は快勝で体力の消耗が少ない。心の余裕もある。「すごく良い気分だ。今日の試合は素晴らしかった」。和やかな空気が部屋に流れる中、自画自賛で幕を開けた。
想定通り。これなら、重いテーマでも、機嫌を損ねないかも。
聞き方は幾度もシミュレーションをした。あなたの活躍は把握していますよ、とアピールを入れつつ、でも、なるべく簡潔に。
この日の会見の競争率は高くなかった。記者は10人足らず。それがインタビュールーム3の良さだ。手を挙げると、すぐに当たった。
――あなたが東京オリンピック(五輪)の混合ダブルスで金メダルを獲得したのを覚えている。今年は五輪イヤー。ロシアを代表してでなく、個人資格の中立選手として出場しなければならないのは残念か?
「まだルールが明確でないから、出場できるかはわからない」
国際オリンピック委員会(IOC)は昨年12月、個人資格の「中立選手」として、ロシア、ベラルーシの選手の出場を容認する方針を決めた。国際テニス連盟がそれにならう発表をしたのは3月6日。全豪の時点では結論が出ていなかった。
この時点でルブレフは「我々は締め出されているから、五輪に100%出られる確証はないと思う」と語った。
出られないとしたら理不尽だ、といった感情は伝わってこなかった。出られないなら、それはそれで仕方ない。むしろ、そんなニュアンスを受け取った。
ルブレフは2022年2月のロシアの侵攻当初から、戦争反対を公言する数少ないロシア人プレーヤーだ。
ロシアがウクライナへの全面侵…
- 【連載】インタビュールーム3 全豪テニスが映した戦争
- ウクライナ侵攻の直後からロシアとベラルーシの選手に扉を開いてきたテニス界。表面的な回答になりがちなメインインタビュールームでは語られることが少ない戦争に対する葛藤、迷い、憤り。選手の本音に迫りました。
<引用元>http://www.asahi.com/articles/ASS3C56QXS31ULZU00C.html?iref=pc_spo_tennis_list_n
「私にそんな質問はしないはず」 握手なき完敗 蛮行が奪った友情
あなたが私の立場だったら、どう思うか考えて。
ウクライナ国民が世界に呼びかけたいことは、この一文に集約される。テニスプレーヤーもしかりだ。
1月19日、全豪オープンの会見場「インタビュールーム3」に入ってきたレシア・ツレンコ(34)=ウクライナ=は想像していたより、さっぱりした表情だった。
女子シングルス3回戦で、世界ランキング2位のアリーナ・サバレンカ(25)=ベラルーシ=から1ゲームも奪えなかった。あまりの完敗だからか、逆にすっきり消化できたのかもしれない。
ツレンコにとってベラルーシは、母国を攻撃するロシアの協力国だ。
昨年3月のBNPパリバ・オープンではサバレンカとの対戦を棄権した。
後日、その理由を明かした。大会開幕後、女子テニス協会(WTA)の上層部に対し、ロシア、ベラルーシ選手に「中立資格」でのツアー出場を容認するのはおかしいと訴えたという。しかし、納得のいく回答は得られなかった。
そのやりとりがサバレンカとの試合直前に脳裏によみがえり、「パニックで呼吸困難になった。精神的に打ちのめされ、コートに出ることができなかった」。
それから約10カ月後、コートで打ち合いはしたが、試合後の握手はなかった。
まだ、握手を交わすのは難しい?
インタビュールーム3での会見で聞かれた。
「私たちの国は今、戦争の真っ最中だから、(握手をしないのは)正しいことだと思う。説明は難しいけれど、私の気持ちを感じてもらうしかない。感じられたら、私にその質問はしないはず」
質問は続いた。昨年の全豪ではウクライナへの募金活動が大々的に行われ、注目度も高かった。今も戦況は改善していないのに、関心は薄まっていると感じるか?
「そう感じる。人々は戦争について話したくない。悪いニュースを耳にしたくない。私がSNSで何か発言すると、それを迷惑がる人たちから悪意あるメッセージが山ほど届く。ただ、私はこの舞台で世界に知らせないといけない」
ツレンコの訴えを聞きながら、2022年夏のウィンブルドン選手権を思い起こしていた。
2回戦で同郷のアンヘリナ・カ…
- 【連載】インタビュールーム3 全豪テニスが映した戦争
- ウクライナ侵攻の直後からロシアとベラルーシの選手に扉を開いてきたテニス界。表面的な回答になりがちなメインインタビュールームでは語られることが少ない戦争に対する葛藤、迷い、憤り。選手の本音に迫りました。
<引用元>http://www.asahi.com/articles/ASS3C54Y9S31ULZU004.html?iref=pc_spo_tennis_list_n
主語は「国家」ではなく だから記者はメインの記者会見場を離れた
収容人員250人のメインインタビュールームに、記者は私を含めて3人だけ。
チャンスだった。今なら、聞きやすい。手を挙げた。
ベラルーシ出身のアリーナ・サバレンカ(25)はテニスコートの上でも、記者会見でも喜怒哀楽をストレートに出す。感情表現が豊かで、質問にも長く答えるタイプだ。
だが、私が質問すると、彼女の表情から感情が消えた。
尋ねたのは、母国が「加害者」としてかかわるウクライナ侵攻についてだった。
二つの質問に、トーンを押し殺すような声で「建前」を短く答えた後、間が空いた。
ほかに質問は出ないと判断した司会進行役が会見を打ち切った。
3問目で、さらに突っこんだ質問をする勇気が足りなかった。あえて自己弁護をするなら、聞いたとしても、しゃくし定規の答えしか返ってこない気がした。
侵攻からまもなく2年という今年1月。私はテニスの全豪オープンで選手の肉声を集めたいと考え、真夏のメルボルンに乗り込んだ。
国家という大きな「主語」でくくるのではなく、個々の選手の心情をすくいあげられたら、と。
しかし、選手は心の内をさらけだしてくれない。
メインインタビュールームの限界も感じた。
一番大きな会見場に呼ばれるのは世界のメディアで注目度の高い優勝候補のスター選手たちが中心。記者たちも、その試合を記事で取り上げることに主眼を置く質問が多い。
戦争に絡んだ質問をするのは、はばかられる雰囲気も漂う。忖度(そんたく)ではないけれど、毎度毎度、侵攻について聞く勇気はなかった。
そこで、作戦を変えることにした。
会見場はほかにもいくつかある。「インタビュールーム3」は、注目度がさほど高くない選手が呼ばれる。20人も入れば満杯のサイズで、プロツアーの広報担当が仕切るメインと2番目に大きい会見場と違い、進行役は地元オーストラリアのスタッフ。干渉は少なく、選手の答えに対して質問を重ねる「更問い」もしやすい。
大会3日目以降、私はここを主な「取材拠点」として、戦争について聞くことにした。
メインインタビュールームでは答えることを完全拒否する選手もいるなど、その後も収穫は少なかった。
一方、インタビュールーム3は別世界だった。
憤り、迷い、葛藤、困惑……。選手たちの本音が、こぼれてきた。(編集委員・稲垣康介)
◇
国際オリンピック委員会(IOC)はロシアと同盟国ベラルーシの選手を「中立選手」として今夏のパリ・オリンピック(五輪)に出す方針を決めたが、スポーツ界では両国の参加について賛否が割れている。
ウクライナ侵攻開始直後、多くの国際競技団体が両国の選手を締め出す中、プロテニスツアーは国名、国旗の使用を禁じる条件で両国の選手に門戸を開いてきた。
テニスは個人競技であり、毎試合後、リクエストがあれば報道対応することが義務づけられ、試合以外の質問も聞ける。テニス選手の発言は他競技の選手と比べ、可視化されているといえる。
拡大する「インタビュールーム3」。約20脚の椅子が用意されていた
拡大する「インタビュールーム3 全豪テニスが映した戦争」でとりあげる主なテニス選手と出身国
<引用元>http://www.asahi.com/articles/ASS3C3VGYS35UTQP00V.html?iref=pc_spo_tennis_list_n
大坂、ストレート勝ちで3回戦へ
テニスのマイアミ・オープンは23日、米マイアミで行われ、女子シングルス2回戦で元世界ランキング1位の大坂なおみ(フリー)が世界17位のエリナ・スビトリナ(ウクライナ)を6―2、7―6のストレートで破った。3回戦で同27位のカロリーヌ・ガルシア(フランス)と顔を合わせる。(共同)
<引用元>http://www.asahi.com/articles/GCO2024032401000312.html?iref=pc_spo_tennis_list_n
大坂「優勝したい」 22年準VのマイアミOP
【マイアミ共同】女子テニスで元世界ランキング1位の大坂なおみ(フリー)が19日、準優勝した2022年以来2年ぶりの出場となるマイアミ・オープンに向けて開催地のマイアミで記者会見し、「ここで育ったし、多くのいい思い出がある。優勝したい」と力強く語った。シングルス1回戦でエリザベッタ・コッチャレット(イタリア)と対戦する。
昨年7月に長女を出産し、今年1月にツアー復帰。ここまで四大大会の全豪オープンを含め5大会に出場し、2月のカタール・オープンでは8強入りした。「戻って最初の目標は楽しむことだったが、今は勝つことに集中している」と心境の変化を口にした。(共同)
<引用元>http://www.asahi.com/articles/GCO2024032001000049.html?iref=pc_spo_tennis_list_n
大坂なおみ、3回戦で敗退 BNPパリバ・オープン
テニスのBNPパリバ・オープンは11日、米カリフォルニア州インディアンウェルズで行われ、女子シングルス3回戦で大坂なおみ(フリー)はエリーズ・メルテンス(ベルギー)に5―7、4―6で敗れた。(共同)
<引用元>http://www.asahi.com/articles/GCO2024031201000790.html?iref=pc_spo_tennis_list_n