(4日、テニス全仏オープン)
最後はフォアの強打がネットにかかり、前年女王のムグルサは4日の4回戦で敗れた。
2連覇を逃した後の記者会見で、ふだんは笑顔で受け答えするムグルサが涙ぐんだ。声を詰まらせてうつむき、一時退席する場面があった。
「今日の観客は明らかに私につらくあたった。もう少し敬意を払ってもらってもいい」
対戦相手が地元期待のムラデノビッチだったことで、会場は「アウェー」の雰囲気が充満していた。ムグルサがサーブの体勢に入ってもムラデノビッチへの声援はやまなかった。
「主審が幾度も観衆を静かにするよう注意しなければならなかった」「私はこの場所に敵を作りに来たわけではない。私はこの舞台でプレーするのは好きなんだけど」。観客への批判は自重しようとしつつ、やはり不満は隠せなかった。
母国語のスペイン語での質疑応答に移ると、表現はもっと率直だった。「今日の観客は理解できなかった。私の立場であのコートでプレーしたら、理解してもらえると思う」(<a
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title="稲垣康介の記者ページを開く" class="ReporterLink">稲垣康介</a>)