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ジョコビッチ、ナダルとの「名勝負」制して決勝進出

 (14日、ウィンブルドンテニス男子シングルス準決勝)  一夜明け、14時間ぶりにナダルジョコビッチセンターコートに帰ってきた。ロンドンは青空が広がったが、屋根は照明下で行われた前夜と同じ条件で閉じられた。その密閉感が、特別な空気を醸し出した。  再開された第4セットの最初から6度のジュース。濃密な攻防が前夜から引き継がれた。持ちこたえたナダルがセットを奪い、名勝負と呼ぶにふさわしい攻防は最終セットへ。  6時間半に及んだ前日の準決勝第1試合、アンダーソンとイスナーの長身ビッグサーバー対決とはひと味違った。技巧、パワー、戦略の要素がふんだんに盛り込まれた極上の打ち合い。  2日がかりの5時間15分、最終セットだけで1時間半の戦いを制したのは、ジョコビッチだった。  対ナダル戦は通算27勝25敗となった。男子ツアーで歴代最も多く対戦してきたライバル関係の功績について、ナダルが試合後に聞かれた。「僕は当事者だから評価はできない。テニス界にとって素晴らしいと言ったら傲慢(ごうまん)になる。ただ、自分のテニス、努力のレベルを高め、成長させてくれる存在だ」。さらに「ふだん僕は自分に批判的だけど、今日は力を出し尽くした。偉大な2人の素晴らしい試合だった」。総ポイントは195のジョコビッチが、わずか4ポイント上回った。  ジョコビッチは「特別な試合だった。少しの差が勝負を分けた」。2人合わせて4大大会優勝29度の経験値とプライドが詰まった戦いに、誰もが酔った。(稲垣康介 <引用元>http://www.asahi.com/articles/ASL7G3C5NL7GUTQP00G.html