テニスの
ウィンブルドン選手権第10日は12日、ロンドン郊外のオール
イングランド・クラブで行われ、女子シングルス準決勝で2年ぶり8度目の優勝を狙う第25シードの
セリーナ・ウィリアムズ(米)はユリア・ゲルゲス(ドイツ)を6―2、6―4で破った。
「隠れた本命」
女子シングルスで隠れた本命が14日の決勝に挑む。36歳の
セリーナ・ウィリアムズ(米)。世界ランキング181位は歴代の決勝進出者で最も低いが、産休で降下したのが理由。「芝の女王」に7度輝いたころの力強さが戻っている。
昨年9月に長女
オリンピアちゃんを出産し、復帰したのは今年3月。「復帰4大会目で決勝に残れるなんて、信じられない」と、本人も驚きを隠せない。
6月の
全仏オープンで胸筋を痛めて途中棄権。今大会前、サーブ練習は封印したが、試合を重ねることで本来の高速サーブがよみがえった。
サービスゲームのキープ率89%、第1サーブを相手が返球できない率50%と、いずれも出場選手中1位だ。
全仏に比べて足の運びもスムーズになり、守備範囲が広がった。記者会見でこんな質問が飛んだ。「過去10カ月で
オリンピアちゃんと自分のフットワークのどちらが成長した?」
「娘かな。もう歩いているし。体の成長に比べて早すぎるくらい。私は彼女から多くのことを学んでいる」と笑顔で答えた。
しかし、ここまでの道のりは楽ではなかった。出産後に肺の
血栓を患い、「郵便受けまでも歩けない時期があった」。実際は、生死の境をさまよう時期もあったという。母として活躍し続けることが他の女性アスリート、一般女性の模範になればという思いも強い。
決勝で同じく元世界1位のケルバー(ドイツ)を破れば、
ウィンブルドンでの連勝は21に伸びる。(
稲垣康介)
<引用元>
http://www.asahi.com/articles/ASL7F33KRL7FUTQP004.html