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3年前の敗戦を糧に逆転 錦織「自信持てば質も上がる」

 第1セットを「完璧」と自賛する形で取った錦織が、第2セットはいきなりブレークを許し、流れを手放した。「打球が浅くなる悪いスパイラルになった」。第2、3セットを連取され、窮地に立たされた。  ラリーの応酬から理詰めで相手を追い詰める錦織の定石はペールに通じない。相手の配球の組み立てなどお構いなく、好打と凡打が入り交じる自己完結型。しかも、強打も小技もある。  相手に球を触れさせずにポイントを奪う「ウィナー」の数は錦織の28に対して49。逆に自身に失点の原因がある「アンフォーストエラー(UE)」は錦織の37に対し、ペールは63もあった。  やはりフルセットにもつれ、錦織が苦杯をなめた3年前の全米オープン。あの一戦では、ウィナーは錦織の34に対して64、UEは錦織の36に対して67と、傾向は酷似する。  ただ、勝敗は逆になった。「どう崩していいか頭に入っていなかった」と錦織がお手上げだった全米と違い、この日は第4セット以降、バックに比べて粗さが目立つペールのフォア側に球を集め始めた。勝利を意識して硬くなったペールの腕が縮こまり、ミスを連発したのも幸いした。  「テニスに技術は必要だけど、やっぱり気持ちの持ちようで変わる。自信を持ってプレーすれば、質も上がる」。錦織が2時間59分の苦闘で学んだ教訓だ。(稲垣康介 <引用元>http://www.asahi.com/articles/ASL502CLWL50UTQP001.html